隠し念仏(かくしねんぶつ)は、種々の秘密主義をもつ念仏信仰・民間信仰を意味する呼称である。そのなかでも、浄土真宗系で呪術的な隠し念仏がよく知られており、浄土真宗では異端であることを意味する異安心とされるが、真言念仏の系譜も承けている。信者は、御内法、御内証などと呼び、浄土真宗からは秘事法門、邪義などと呼ばれる。信者同士では在家仏教、内信心とも呼ぶ。現在でも岩手県を中心とした東北地方などに現存する信仰である。