「長恨歌」(ちょうごんか)は、中国唐の詩人白居易によって作られた長編の漢詩である。陳鴻の長恨歌伝によれば、白居易、陳鴻、王質夫の三人が仙遊寺に集まり、唐代の玄宗皇帝と楊貴妃のエピソードを語り合い感嘆した際、王質夫が「夫れ希代の事は、出世の才の之を潤色するに遭ふに非ずんば、則ち時と消没し、世に聞こえず。楽天は詩に深く、情に多き者なり。試みに為に之を歌はば、如何と。」(「世にも奇妙な出来事は、一代の傑出した才人の手で潤色されるのでなければ、時と共に消滅してしまって、世の中に伝わらなくなってしまう。楽天、君は詩に造詣が深く、情に豊かな人だ。試みにこの出来事で歌を作って見てはどうか」という意)と言われたことをきっかけに、「長恨歌」を作ったと書かれている。『源氏物語』をはじめ平安時代の日本文学にも多大な影響を与えた。806年(元和元年)、白居易が35歳、盩厔県尉であった時の作。七言古詩(歌行とも言う)(120句)。