『薔薇と海賊』(ばらとかいぞく)は、三島由紀夫の戯曲。全3幕から成る。女流童話作家のヒロインと、童話ファンの白痴の青年との恋愛劇である。現代風俗の跋扈する時代に、性欲を嫌悪する女と性欲を持たない男の恋を設定し、ロマンチック時代と同等の甘い恋の場面を表現させている。1970年(昭和45年)10月の再演時に、三島が客席で涙を流しながら観ていたという挿話がある作品である。