『真珠』(しんじゅ)は、坂口安吾の短編小説。1941年(昭和16年)12月8日の真珠湾攻撃における「九軍神」への素直な感動を題材にした私小説である。死に赴いた9人の若者を〈あなた方〉と呼びかけながら、彼らが特攻していた時間と同じ時間の坂口自身の無頼な日常を対比的に綴ることにより、独特の作品世界と美しさを描き出している。 『真珠』は、大東亜戦争(太平洋戦争)勃発の12月8日について書かれた作品の中で、「九軍神」のことを取り扱った最初の小説とされているが、その後、一時再版が禁じられ、没後に刊行された全集や文庫版において収録された。