『仮名手本硯高島』(かなでほんすずりのたかしま)とは、歌舞伎の演目で忠臣蔵物のひとつ。安政5年(1858年)5月、江戸市村座にて初演。二代目河竹新七(河竹黙阿弥)作。鶴岡の社頭から始まり討ち入りまでを描く通し狂言で、全11冊に「大尾」をつけた12の場面からなっている。初演以降、第十一冊「塩山の屋舗に土産の徳利」がもっぱら演じられており、以下これを中心に解説する。通称『赤垣源蔵』。なお外題にある「高島」は初演時に主役・赤垣源蔵を演じた四代目市川小團次の屋号を利かせたものである。