『乱』(らん)は、1985年に公開された日仏合作の歴史映画である。監督は黒澤明、主演は仲代達矢。カラー、ビスタ、162分。物語はシェイクスピアの悲劇『リア王』と毛利元就の「三子教訓状」を元にしており、架空の戦国武将・一文字秀虎の家督譲渡に端を発する3人の息子との確執、兄弟同士の骨肉の争いと破滅を描く。当時の日本映画で最大規模となる26億円の製作費を投じた大作で、構想から9年もかけて完成した。 黒澤の最高傑作の一つとして国内外で高く評価されている。第58回アカデミー賞では監督賞を含む4部門にノミネートされ、ワダ・エミが衣裳デザイン賞を受賞した。第39回英国アカデミー賞では6部門にノミネートされ、外国語作品賞とメイクアップ賞を受賞した。ほか第20回全米映画批評家協会賞で作品賞と撮影賞、第51回ニューヨーク映画批評家協会賞で外国語映画賞、第11回ロサンゼルス映画批評家協会賞で外国語映画賞と音楽賞、第28回ブルーリボン賞で作品賞と監督賞を受賞した。