中世日本紀(ちゅうせいにほんぎ)は、日本中世において、『日本書紀』等に基づきながらも主に本地垂迹説などに則り多様に解釈・再編成された神話群の総称、あるいはそのような解釈・再編成の動きを指す学術用語である。前者については、中世神話とも呼ばれる。 中世日本紀では、記紀の神々が仏教の諸天諸仏と同一視されることが多く、神仏が同じ舞台で対等に渡り合ったりと中世における両部神道や山王神道などによる神仏習合思想を下敷きにした神話が語られている。また、そうでないものにあっても仏教の影響を受けた神話の解釈が見られる。主に歌学書、軍記物、寺社縁起などにおいて記述されているため、統一的・体系的な文献は存在せず、豊富なバリエーションが残されている。