中世の寝殿造(ちゅうせいのしんでんづくり)では、末期の寝殿造を中心に中世の上層住宅について述べる。中世は平安時代の寝殿造から近世の書院造への過渡期にあたり、寝殿造の末期であると同時に書院造の成立前史でもある。寝殿造は11世紀前には完成し摂関政期・院政初期に栄えたが、平安時代末期には正式な形式は崩れ実用本位のものとなっていった。