コンクリート船(英語:Concrete ship)とは、船体を鉄筋コンクリートで建造された船舶。一般的な鋼鉄や木材製船体に比べ、建造に関し建設費用が掛かり、コンクリート()の性質上、建造に手間が掛かる点や、重量(質量)も増えることから操船性能や燃費が悪く、運用コスト面で不利となるなど多くの欠点を抱えるが、材料が安価で容易に調達できることから積荷を載せて曳航するバージとして19世紀からヨーロッパで使用されていた。また、一隻限りの建造は高価となるが、コンクリート型枠を使用し連続した建造を行うと建造コストが抑えられる点や、害虫の影響を受けにくい、他の材質で造られたものより藻類や海洋生物の付着が抑えられることから、修理やメンテナンス費用に関し利点がある。材料工学や建築工学が進歩した現代では質量と柔軟性に関し特性が改善されたコンクリートや補強材の使用が可能となっている。