(エロティック・サスペンス、官能スリラー、官能サスペンス)とは、「ロマンチックな『エロティック』の魅力と危険な『スリラー』の物語を組み合わせた、原則的に『快楽/危険』が隣り合わせとなっている要素」を持つ映画と定義されるサブジャンルのうちのひとつである。身体の危険と快楽の要素がプロットの中心となっている。ほとんどのエロティック・スリラーはソフトコア・セックスのシーンを含むが、そのようなシーンの頻度や露骨さはそれぞれの作品ごとに異なっている。イギリスの学者はエロティック・スリラー映画を「ある種の犯罪行為や詐欺的行為を内包した性的な不義を描くノワール的物語である一方で、しばしばスクリーン上でソフトコア・セックスを見せるための浅はかな枠組みである」と表現した。 1980年代に、性的に挑発的な内容のノワール的なスリラー映画の急激なブームにおいて、そのような新しいジャンルを表すために、「エロティック」という単語が「スリラー」に付加され始めた。1980年代後半から1990年代半ばにかけては、エロティック・スリラーの「古典的な時代」とみなされ、このジャンルにおいて最もよく知られた作品でもある『氷の微笑』や『危険な情事』、『』が公開されている。