おなり神(おなりがみ)またはをなり神(をなりがみ)とは、妹(をなり/おなり/うない)が兄(えけり/えーり)を霊的に守護すると考え、妹の霊力を信仰する沖縄地方の信仰である。かつて琉球王国の版図であった奄美から先島まで広く見られるが、唯一宮古島では、おなり神信仰は希薄となっている。 柳田國男は、女性の霊的な力によって、妹が兄を守ったり、姉が弟を守ったりする精神的な力による支配を「妹の力」と述べ、これをおなり神信仰に当てはめた。1927年、伊波普猷は柳田の指摘を発展させ、琉球のおなり神信仰が姉妹と兄弟の家族関係だけでなく、王とその姉妹である「聞得大君」によって支えられたと指摘した。 現代では琉球の信仰(琉球神道)の一要素として捉えられているが、ウナリ神信仰を基盤とした祭政一致社会は、日本本土の邪馬台国や古奄美など広範に見られる。