ワズィール(アラビア語: وزير Wazīr)は、イスラーム王朝における「宰相」「大臣」などを意味するアラビア語。行政長官として書記官僚(カーティブ)集団を統率した。 近世ペルシア語ではワジーレ(vazīr)、トルコ語ではヴェジール(vezīr)であらわす。ヨーロッパ地域ではトルコ語が変化してヴェズィール(Vizier)と称された。アラビア語の動詞ワザラ(وزر wazara、「重荷を負う」の意)に語源をもとめ、「重責を負うもの」という原義をもつものと解釈する説もあるが、中世ペルシア語のウィチル(vičir)(判決・判官)に語源を求める説もある。