『碧血剣』(へきけつけん)は、中華圏(中国、台湾、シンガポール、華僑・華人コミュニティ等)で著名な小説家金庸の武俠小説の一つ。1956年に『』で連載された。 時は17世紀半ば、明朝が終わろうとするころ。無実の罪で殺された父の袁崇煥の復讐のため、主人公・袁承志が武術を修行し、江湖をさすらう。金庸の小説の中ではかなり史実をベースとしている割合が強く、袁崇煥・崇禎帝・李自成など、歴史上の人物が多数登場する。 なお、清朝を舞台にした『鹿鼎記』とは内容がつながっており、何鉄手・阿九・帰辛樹などの人物が共通して登場する。 碧血とは『荘子』外物篇の英雄の血が碧玉に変わるという故事による。 「萇弘は蜀に死す。其の血を蔵すること三年にして、 化して碧と為る」(萇弘死于蜀,藏其血三年而化為碧)