韋小宝は、金庸の武俠小説『鹿鼎記』に登場する架空の人物。反清復明を唱える反政府組織・天地会の香主でありながら、康熙帝の親友であり清朝にも仕える。清朝では順調に出世を重ね、最終的な身分は一等鹿鼎公。 これまでの金庸作品の主人公といえば、禁欲的で、武術に対して求道的、政治的にはあまり関心がない人物が描かれることが多かった。しかし、韋小宝は博打好きで7人もの妻を得るほどに好色。怠け者で武術の稽古もサボりがち。また、極めて政治的才覚があり、新聞連載中、『鹿鼎記』は金庸が代作させているのではないか、との問い合わせが殺到したと言う。それでも、「韋小宝は義俠心に厚い」という武俠の必須条件は満たしており、天地会への義理と康熙帝への友情の板挟みに苦しむこともあった。