逆走事故(ぎゃくそうじこ)とは、道路上や駐車場などで定められた車の進行方向と逆向きに運転する車によって生じた交通事故のことである。 逆走事故は、高速道路や一方通行路などの道路上だけでなく、進行方向が定められた駐車場内の通行路においても発生している。多くはドライバーの不注意や確認不足によるものが多いが、道路自体の構造や案内標識や表示の不備など設備側の問題が原因になることもある。また、右側通行の国出身のドライバーが左側通行の国で運転した場合に逆走してしまうなど、海外からきたドライバーが自国とはちがう通行区分に戸惑い、逆走事故を起こしてしまう事例も少数ではあるが報告されている。 逆走事故は、特に高速道路に代表される中央分離帯のある幹線道路において、深刻な問題となっている。このような道路で発生した逆走事故のほとんどが、高速で正面衝突するパターンであり、結果的に死傷者の発生する重大事故になっているのが理由である。米国では年平均355人の人々が幹線道路上の正面衝突による逆走事故で亡くなっている。件数でいうと、年平均265件もの逆走事故が発生しているため、逆走事故1件あたりの死亡率は1.34人。他の事故形態の死亡率は1.10人であるため、逆走事故がより重大な結果を招くことがわかってくる。