数学において整数 N の約数(やくすう、英: divisor)とは、N を割り切る整数またはそれらの集合のことである。割り切るかどうかということにおいて、符号は本質的な問題ではないため、N を正の整数(自然数)に、約数は正の数に限定して考えることも多い。自然数や整数の範囲でなく文字式や抽象代数学における整域などで「約数」と同様の意味を用いる場合は、「因数」(いんすう)、「因子」(いんし、英: factor)が使われることが多い。 整数 a が整数 N の約数であることを、記号 | を用いて a | N と表す。 約数の定義を式で表すと、「整数 a ≠ 0 が N の約数であるとは、ある整数 b をとると N = ab が成立することである」であるが、条件「a ≠ 0」を外すこともある(その場合、N = 0 のとき 0 も約数になる)。 自然数(正の整数)で考えている文章では、ことわりがなくても「約数」を前提にしていることは多い。