空気遮断器(くうきしゃだんき)は、圧縮された空気による高速度の空気流中で電流の開閉を行う遮断器である。英語では Air Blast Circuit Breaker と表記し、ABB と略称される。 空気遮断器は遮断に要する時間が極めて短く、電極接点部分の摩耗が少ない。遮断器部分をいくつか直列接続する多重切(たじゅうきり)とすることで高電圧化・大容量化に対応できる。また従来の主流であった油遮断器に対しては絶縁油を必要しないことから火災の危険がなく、保守面での利点も大きい。 空気遮断器の原型が完成したのは世界大戦前のドイツであったという。世界大戦によってその開発は一時停止してしまったが、戦後は電力送電線網の拡大とともに発展し、往年の電力系統を支えた。現在ではガス遮断器の普及が進んでいるが、数多くの空気遮断器がなお現役で動作している。