炭素-酸素結合(たんそ-さんそけつごう、英: carbon-oxygen bond)は炭素と酸素の間の共有結合で、有機化学や生化学で頻繁に見られる結合の1つである。酸素は6つの価電子を持ち、2つの電子を炭素と共有し、4つの非結合電子から2つの非共有電子対をつくる。水の有機誘導体であるアルコールは最も単純な例である。 炭素と酸素の電気陰性度はそれぞれ 2.55 と 3.44 であるので、C-O結合は酸素のほうへ強く分極している。パラフィン系C-O結合の結合距離はおよそ 143 pm であり、これはC-N結合やC-C結合より短い。カルボン酸 のC-O結合は二重結合性を帯びているので 136 pm と短く、エポキシドでは 147 pm と逆に長くなっている。C-O結合の結合エネルギーも、C-N結合やC-C結合より大きい。たとえば、メタノールでは 91 kcal/mol (298 K) 、メチルアミンでは 87 kcal/mol 、エタンでは 88 kcal/mol である。

Property Value
dbo:abstract
  • 炭素-酸素結合(たんそ-さんそけつごう、英: carbon-oxygen bond)は炭素と酸素の間の共有結合で、有機化学や生化学で頻繁に見られる結合の1つである。酸素は6つの価電子を持ち、2つの電子を炭素と共有し、4つの非結合電子から2つの非共有電子対をつくる。水の有機誘導体であるアルコールは最も単純な例である。 炭素と酸素の電気陰性度はそれぞれ 2.55 と 3.44 であるので、C-O結合は酸素のほうへ強く分極している。パラフィン系C-O結合の結合距離はおよそ 143 pm であり、これはC-N結合やC-C結合より短い。カルボン酸 のC-O結合は二重結合性を帯びているので 136 pm と短く、エポキシドでは 147 pm と逆に長くなっている。C-O結合の結合エネルギーも、C-N結合やC-C結合より大きい。たとえば、メタノールでは 91 kcal/mol (298 K) 、メチルアミンでは 87 kcal/mol 、エタンでは 88 kcal/mol である。 炭素と酸素は二重結合をつくり、ケトン、エステル、カルボン酸などのカルボニル化合物で見られる。フランでは、酸素原子はπ電子の非局在化に貢献しているので、フランは芳香族性を持つ。C=O結合の結合距離はカルボニル化合物で 123 pm である。アシルハライドのC=O結合は部分的に三重結合性を帯びているのでとても短く、117 pm である。ちゃんとしたC-O三重結合をもった化合物は存在しない。これは非常に高い結合エネルギーを持ち、N-N三重結合よりも高い。では三価の酸素がみられる。 (ja)
  • 炭素-酸素結合(たんそ-さんそけつごう、英: carbon-oxygen bond)は炭素と酸素の間の共有結合で、有機化学や生化学で頻繁に見られる結合の1つである。酸素は6つの価電子を持ち、2つの電子を炭素と共有し、4つの非結合電子から2つの非共有電子対をつくる。水の有機誘導体であるアルコールは最も単純な例である。 炭素と酸素の電気陰性度はそれぞれ 2.55 と 3.44 であるので、C-O結合は酸素のほうへ強く分極している。パラフィン系C-O結合の結合距離はおよそ 143 pm であり、これはC-N結合やC-C結合より短い。カルボン酸 のC-O結合は二重結合性を帯びているので 136 pm と短く、エポキシドでは 147 pm と逆に長くなっている。C-O結合の結合エネルギーも、C-N結合やC-C結合より大きい。たとえば、メタノールでは 91 kcal/mol (298 K) 、メチルアミンでは 87 kcal/mol 、エタンでは 88 kcal/mol である。 炭素と酸素は二重結合をつくり、ケトン、エステル、カルボン酸などのカルボニル化合物で見られる。フランでは、酸素原子はπ電子の非局在化に貢献しているので、フランは芳香族性を持つ。C=O結合の結合距離はカルボニル化合物で 123 pm である。アシルハライドのC=O結合は部分的に三重結合性を帯びているのでとても短く、117 pm である。ちゃんとしたC-O三重結合をもった化合物は存在しない。これは非常に高い結合エネルギーを持ち、N-N三重結合よりも高い。では三価の酸素がみられる。 (ja)
dbo:thumbnail
dbo:wikiPageID
  • 2322101 (xsd:integer)
dbo:wikiPageLength
  • 3156 (xsd:nonNegativeInteger)
dbo:wikiPageRevisionID
  • 91899411 (xsd:integer)
dbo:wikiPageWikiLink
prop-en:wikiPageUsesTemplate
dct:subject
rdfs:comment
  • 炭素-酸素結合(たんそ-さんそけつごう、英: carbon-oxygen bond)は炭素と酸素の間の共有結合で、有機化学や生化学で頻繁に見られる結合の1つである。酸素は6つの価電子を持ち、2つの電子を炭素と共有し、4つの非結合電子から2つの非共有電子対をつくる。水の有機誘導体であるアルコールは最も単純な例である。 炭素と酸素の電気陰性度はそれぞれ 2.55 と 3.44 であるので、C-O結合は酸素のほうへ強く分極している。パラフィン系C-O結合の結合距離はおよそ 143 pm であり、これはC-N結合やC-C結合より短い。カルボン酸 のC-O結合は二重結合性を帯びているので 136 pm と短く、エポキシドでは 147 pm と逆に長くなっている。C-O結合の結合エネルギーも、C-N結合やC-C結合より大きい。たとえば、メタノールでは 91 kcal/mol (298 K) 、メチルアミンでは 87 kcal/mol 、エタンでは 88 kcal/mol である。 (ja)
  • 炭素-酸素結合(たんそ-さんそけつごう、英: carbon-oxygen bond)は炭素と酸素の間の共有結合で、有機化学や生化学で頻繁に見られる結合の1つである。酸素は6つの価電子を持ち、2つの電子を炭素と共有し、4つの非結合電子から2つの非共有電子対をつくる。水の有機誘導体であるアルコールは最も単純な例である。 炭素と酸素の電気陰性度はそれぞれ 2.55 と 3.44 であるので、C-O結合は酸素のほうへ強く分極している。パラフィン系C-O結合の結合距離はおよそ 143 pm であり、これはC-N結合やC-C結合より短い。カルボン酸 のC-O結合は二重結合性を帯びているので 136 pm と短く、エポキシドでは 147 pm と逆に長くなっている。C-O結合の結合エネルギーも、C-N結合やC-C結合より大きい。たとえば、メタノールでは 91 kcal/mol (298 K) 、メチルアミンでは 87 kcal/mol 、エタンでは 88 kcal/mol である。 (ja)
rdfs:label
  • 炭素-酸素結合 (ja)
  • 炭素-酸素結合 (ja)
owl:sameAs
prov:wasDerivedFrom
foaf:depiction
foaf:isPrimaryTopicOf
is dbo:wikiPageRedirects of
is dbo:wikiPageWikiLink of
is owl:sameAs of
is foaf:primaryTopic of