『日輪』(にちりん)は、横光利一の中編小説。1923年(大正12年)に発表され、文壇出世作となった作品である。卑弥呼を主人公とし、歴史事実の追求よりも卑弥呼をめぐる愛憎関係を描きながら、国と国との壮大な殺戮絵巻を繰り広げた作品となっている。本作では卑弥呼はもともと不弥国の王女で、最終的に耶馬台(やまと)に行ったとされている(「邪馬台」という表記および「やまたい」という読みは採用されていない)。 初出は雑誌『新小説』1923年5月号(第18年第5号)で、翌1924年(大正13年)5月18日に春陽堂から単行本刊行された。近年入手容易な文庫本としては岩波文庫版がある。