『戦争論』(せんそうろん、独: Vom Kriege)は、プロイセンの将軍カール・フォン・クラウゼヴィッツによる戦争と軍事戦略に関する書物である。本書は戦争の暴力性や形態を決める重要な要因として政治を位置づけたものであり、軍事戦略を主題とする最も重要な論文のひとつとして、今日でも各国の士官学校や研究機関で扱われている。 本書が執筆された時期は主にナポレオン戦争終結後の1816年から1830年にかけてであり、クラウゼヴィッツが陸軍大学校の学校長として勤務している時期に大部分が書かれた。1827年に原稿に大規模な修正を加えて整理しているが、未完成のまま死去したことから妻のが遺稿と断片的なまま残されていた最終的な2つの章を編集した。マリーが出版した遺稿集としての『戦争論』全十巻は、第2版から第15版までマリーの兄ブリュールが内容を改ざんしている。第16版以降、ハールヴェークが初版に依拠し直したものとなっている。