『喜びの琴』(よろこびのこと)は、三島由紀夫の戯曲。全3幕から成る。同じ思想を共有し、信頼していたはずの上司に裏切られる若い公安巡査の悲劇を描いた作品。第1幕が反共思想、第2幕がそのアンチテーゼ、第3幕第1場がそのジュンテーゼとしてのニヒリズム(これによって主人公は、修羅の地獄へ叩き込まれる)、第3幕第2場が救済の主題の昂揚、という色彩となっている。 『喜びの琴』は当初、文学座により1964年(昭和39年)正月公演として上演される予定で、前年1963年(昭和38年)10月24日に脱稿され、11月15日から稽古に入っていたが、ソ連・欧州から帰国した同座長・杉村春子を迎えての11月20日の緊急総会の決議の流れから、思想上の理由による上演中止が作者・三島へ申し入れられた。これをきっかけに三島とそれに同調する10数名の座員による脱退事件が起きた(詳細は「喜びの琴事件」を参照)。三島は、「いろんな事情で、この芝居ぐらゐ作者の私を苦しめ、又、多くの人を苦しめた作品はめずらしい」と述べている。

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  • 『喜びの琴』(よろこびのこと)は、三島由紀夫の戯曲。全3幕から成る。同じ思想を共有し、信頼していたはずの上司に裏切られる若い公安巡査の悲劇を描いた作品。第1幕が反共思想、第2幕がそのアンチテーゼ、第3幕第1場がそのジュンテーゼとしてのニヒリズム(これによって主人公は、修羅の地獄へ叩き込まれる)、第3幕第2場が救済の主題の昂揚、という色彩となっている。 『喜びの琴』は当初、文学座により1964年(昭和39年)正月公演として上演される予定で、前年1963年(昭和38年)10月24日に脱稿され、11月15日から稽古に入っていたが、ソ連・欧州から帰国した同座長・杉村春子を迎えての11月20日の緊急総会の決議の流れから、思想上の理由による上演中止が作者・三島へ申し入れられた。これをきっかけに三島とそれに同調する10数名の座員による脱退事件が起きた(詳細は「喜びの琴事件」を参照)。三島は、「いろんな事情で、この芝居ぐらゐ作者の私を苦しめ、又、多くの人を苦しめた作品はめずらしい」と述べている。 (ja)
  • 『喜びの琴』(よろこびのこと)は、三島由紀夫の戯曲。全3幕から成る。同じ思想を共有し、信頼していたはずの上司に裏切られる若い公安巡査の悲劇を描いた作品。第1幕が反共思想、第2幕がそのアンチテーゼ、第3幕第1場がそのジュンテーゼとしてのニヒリズム(これによって主人公は、修羅の地獄へ叩き込まれる)、第3幕第2場が救済の主題の昂揚、という色彩となっている。 『喜びの琴』は当初、文学座により1964年(昭和39年)正月公演として上演される予定で、前年1963年(昭和38年)10月24日に脱稿され、11月15日から稽古に入っていたが、ソ連・欧州から帰国した同座長・杉村春子を迎えての11月20日の緊急総会の決議の流れから、思想上の理由による上演中止が作者・三島へ申し入れられた。これをきっかけに三島とそれに同調する10数名の座員による脱退事件が起きた(詳細は「喜びの琴事件」を参照)。三島は、「いろんな事情で、この芝居ぐらゐ作者の私を苦しめ、又、多くの人を苦しめた作品はめずらしい」と述べている。 (ja)
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  • 『喜びの琴』(よろこびのこと)は、三島由紀夫の戯曲。全3幕から成る。同じ思想を共有し、信頼していたはずの上司に裏切られる若い公安巡査の悲劇を描いた作品。第1幕が反共思想、第2幕がそのアンチテーゼ、第3幕第1場がそのジュンテーゼとしてのニヒリズム(これによって主人公は、修羅の地獄へ叩き込まれる)、第3幕第2場が救済の主題の昂揚、という色彩となっている。 『喜びの琴』は当初、文学座により1964年(昭和39年)正月公演として上演される予定で、前年1963年(昭和38年)10月24日に脱稿され、11月15日から稽古に入っていたが、ソ連・欧州から帰国した同座長・杉村春子を迎えての11月20日の緊急総会の決議の流れから、思想上の理由による上演中止が作者・三島へ申し入れられた。これをきっかけに三島とそれに同調する10数名の座員による脱退事件が起きた(詳細は「喜びの琴事件」を参照)。三島は、「いろんな事情で、この芝居ぐらゐ作者の私を苦しめ、又、多くの人を苦しめた作品はめずらしい」と述べている。 (ja)
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  • 喜びの琴 (ja)
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