不確定性原理(ふかくていせいげんり、(独: Unschärferelation、英: Uncertainty principle)は、量子力学に従う系の物理量を観測したときの不確定性と、同じ系で別の物理量を観測したときの不確定性が適切な条件下では同時に0になる事はないとする一連の定理の総称である。特に重要なのは、がそれぞれ位置と運動量のときであり、狭義にはこの場合のものを不確定性原理という。 このような限界が存在するはずだという元々の発見的議論がハイゼンベルクによって与えられたため、これはハイゼンベルクの原理という名前が付けられることもある。しかし後述するようにハイゼンベルク自身による不確定性原理の物理的説明は、今日の量子力学の知識からは正しいものではない。 今日の量子力学において、不確定性原理でいう観測は日常語のそれとは意味が異なる用語であり、測定装置のような古典的物体と量子系との間の任意の相互作用を意味する。したがって例えば、実験者が測定装置に表示された値を実際に見たかどうかといった事とは無関係に定義される。また不確定性とは、物理量を観測した時に得られる測定値の標準偏差を表す。