ヤコブ・ベーメ(Jakob Böhme,1575年 - 1624年11月17日)は、ドイツの神秘主義者である。ドイツ語で主に著述した最初の思想家でもあり、信奉者から付けられた「フィロソフス・テウトニクス」(ドイツの哲人)という異名でも知られる。ルター派教義を背景とし、パラケルススら新プラトン主義に影響を受けた独特の自然把握と「神の自己産出」という哲学史上稀な概念の展開は、敬虔主義やドイツ観念論といった近世のドイツ思想だけでなく、近代の神秘学にも影響を与えている。 主著は『アウローラ』、『シグナトゥーラ・レールム』、『大いなる神秘』、『キリストへの道』。