本項では、ベトナムの仏教(ベトナムのぶっきょう)について記述する。 ベトナムは歴史的に仏教徒の国家であるが、中華帝国の直接・間接支配も含めベトナム仏教が中華思想の多大な影響を受けてきた。ベトナムの仏教は、日本や朝鮮半島と同じく、基本的には大乗仏教であり、中国系の儒教思想の仏教である。道教などとも混交しており、日本のように宗派には基本的に分かれていない混然とした形態である。あえてその特徴を挙げれば、宋代以降の中国仏教と同じく、禅宗(臨済宗)と浄土教の色彩が濃い、「浄土禅」的性格が比較的強い。