フェルミ縮退(フェルミしゅくたい、英語: Fermi degeneracy)とは、金属などの高密度な物質において、フェルミ粒子が取れる量子状態が強く限定されていることにより、古典論では説明できない物性を示すことをいう。フェルミ縮退している物質を、縮退物質(degenerate matter)と呼ぶ。 フェルミ粒子は、パウリの排他原理により、複数の粒子が同一の状態を取ることができない。従って、あるエネルギーの値を取れる粒子の数は、そのエネルギーの状態の数までが限界である。温度、すなわち粒子の平均運動エネルギーを下げていくと、粒子はエネルギーの低い状態へ移っていこうとする。しかし、エネルギーの低い状態がこの粒子数の限界に達してしまうと、エネルギーが高いままで残らざるを得ないことになる。このような状態になることを、フェルミ縮退もしくは単に縮退という。 粒子の密度が高ければ、粒子数の限界に達しやすくなるので、フェルミ縮退が起こりやすくなる。恒星の中心核は超高密度であるため、数億Kという高温でありながら、フェルミ縮退が起こることがある。

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  • フェルミ縮退(フェルミしゅくたい、英語: Fermi degeneracy)とは、金属などの高密度な物質において、フェルミ粒子が取れる量子状態が強く限定されていることにより、古典論では説明できない物性を示すことをいう。フェルミ縮退している物質を、縮退物質(degenerate matter)と呼ぶ。 フェルミ粒子は、パウリの排他原理により、複数の粒子が同一の状態を取ることができない。従って、あるエネルギーの値を取れる粒子の数は、そのエネルギーの状態の数までが限界である。温度、すなわち粒子の平均運動エネルギーを下げていくと、粒子はエネルギーの低い状態へ移っていこうとする。しかし、エネルギーの低い状態がこの粒子数の限界に達してしまうと、エネルギーが高いままで残らざるを得ないことになる。このような状態になることを、フェルミ縮退もしくは単に縮退という。 粒子の密度が高ければ、粒子数の限界に達しやすくなるので、フェルミ縮退が起こりやすくなる。恒星の中心核は超高密度であるため、数億Kという高温でありながら、フェルミ縮退が起こることがある。 (ja)
  • フェルミ縮退(フェルミしゅくたい、英語: Fermi degeneracy)とは、金属などの高密度な物質において、フェルミ粒子が取れる量子状態が強く限定されていることにより、古典論では説明できない物性を示すことをいう。フェルミ縮退している物質を、縮退物質(degenerate matter)と呼ぶ。 フェルミ粒子は、パウリの排他原理により、複数の粒子が同一の状態を取ることができない。従って、あるエネルギーの値を取れる粒子の数は、そのエネルギーの状態の数までが限界である。温度、すなわち粒子の平均運動エネルギーを下げていくと、粒子はエネルギーの低い状態へ移っていこうとする。しかし、エネルギーの低い状態がこの粒子数の限界に達してしまうと、エネルギーが高いままで残らざるを得ないことになる。このような状態になることを、フェルミ縮退もしくは単に縮退という。 粒子の密度が高ければ、粒子数の限界に達しやすくなるので、フェルミ縮退が起こりやすくなる。恒星の中心核は超高密度であるため、数億Kという高温でありながら、フェルミ縮退が起こることがある。 (ja)
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  • フェルミ縮退(フェルミしゅくたい、英語: Fermi degeneracy)とは、金属などの高密度な物質において、フェルミ粒子が取れる量子状態が強く限定されていることにより、古典論では説明できない物性を示すことをいう。フェルミ縮退している物質を、縮退物質(degenerate matter)と呼ぶ。 フェルミ粒子は、パウリの排他原理により、複数の粒子が同一の状態を取ることができない。従って、あるエネルギーの値を取れる粒子の数は、そのエネルギーの状態の数までが限界である。温度、すなわち粒子の平均運動エネルギーを下げていくと、粒子はエネルギーの低い状態へ移っていこうとする。しかし、エネルギーの低い状態がこの粒子数の限界に達してしまうと、エネルギーが高いままで残らざるを得ないことになる。このような状態になることを、フェルミ縮退もしくは単に縮退という。 粒子の密度が高ければ、粒子数の限界に達しやすくなるので、フェルミ縮退が起こりやすくなる。恒星の中心核は超高密度であるため、数億Kという高温でありながら、フェルミ縮退が起こることがある。 (ja)
  • フェルミ縮退(フェルミしゅくたい、英語: Fermi degeneracy)とは、金属などの高密度な物質において、フェルミ粒子が取れる量子状態が強く限定されていることにより、古典論では説明できない物性を示すことをいう。フェルミ縮退している物質を、縮退物質(degenerate matter)と呼ぶ。 フェルミ粒子は、パウリの排他原理により、複数の粒子が同一の状態を取ることができない。従って、あるエネルギーの値を取れる粒子の数は、そのエネルギーの状態の数までが限界である。温度、すなわち粒子の平均運動エネルギーを下げていくと、粒子はエネルギーの低い状態へ移っていこうとする。しかし、エネルギーの低い状態がこの粒子数の限界に達してしまうと、エネルギーが高いままで残らざるを得ないことになる。このような状態になることを、フェルミ縮退もしくは単に縮退という。 粒子の密度が高ければ、粒子数の限界に達しやすくなるので、フェルミ縮退が起こりやすくなる。恒星の中心核は超高密度であるため、数億Kという高温でありながら、フェルミ縮退が起こることがある。 (ja)
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  • フェルミ縮退 (ja)
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