サフランは、3千年以上もの間、調味料、香料、染料、医薬として使われ続けてきた。この記事では、そうした、サフランの取引と利用(サフランのとりひきとりよう)について解説する。 香辛料のサフランは、サフランの柱頭 (めしべの先端)から得られ、1グラムあたりでは最も高価な香辛料の1つである。めしべを乾燥した糸状のものには苦味があり、干草に似た香りがする。サフランは西南アジア原産であるが、最初に本格的に栽培されたのはギリシャである。サフランの最大生産国はイランであり、世界の総収穫量の半分を占める。 古代でも現代でも、飲食用に使われる場合がほとんどである。この習慣は、アフリカ、アジア、ヨーロッパへと広がっていった。南北アメリカでは焼き物、カレー、酒に使われた。古代には、サフランは医薬として、胃腸薬、ペスト、天然痘などに幅広く使われた。近代の臨床試験では、抗がん剤、老化防止にも効果がある可能性が示されている。また、サフランは織物などの染色にも使われた。その色は、多くの場合、宗教的や階級的に重要であるとされてきた。