本稿ではエストニアの食文化について解説する。 バルト沿岸諸国としてドイツ料理の影響を強く受けているが、後の支配者であるスウェーデン料理の影響も強く、長くスウェーデンの支配下にあった同じフィン・ウゴル語派の隣国フィンランドと似通った食文化を共有している。 フィンランド料理との相違点としては、ドイツの影響を受けてビールを使った料理が好まれる点であり、料理の嗜好にとどまらず、フィンランド人に比べてエストニア人は酒好きと考えられている。他のバルト沿岸諸国との違いは、魚類を好んで料理に使う点であり、特にイワシは主要な食材の一つである。 煮込む料理が多く、牛乳とジャガイモは欠かせない。