日本における反ユダヤ主義(にほんにおけるはんゆだやしゅぎ、英Antisemitism in Japan)では、日本国内で起こったユダヤ人またはユダヤ教に対する迫害や偏見に基づく反ユダヤ主義、およびそれに関連する事象も取り上げる。 日本ではユダヤ人口が少なく、第二次世界大戦を前に民族主義的イデオロギーとプロパガンダが少数の日本人に影響を与えるまで、ヨーロッパにおけるような伝統的な反ユダヤ主義はなかった。戦争直前から戦時中にかけて、日本の同盟国だった国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)政権下のドイツ政府は、戦前に日本に反ユダヤ主義を採用するよう奨励、戦後も過激派のグループやイデオロギー信奉者がユダヤ陰謀論を喧伝してきたが、日本国内では反ユダヤ主義が日本国民に影響力を持つほどには拡大しなかった。イスラエル建国以後はキリスト教由来の反ユダヤ主義を持つ欧米諸国では、パレスチナへの同情由来の反イスラエル感情が起きていて、イスラム世界では激しい反イスラエル感情で新たな反ユダヤ主義の中心地となっている。それに対して、日本はイスラエル・パレスチナ双方と交流する方針を取りながらも、国民に目立った反発・派閥対立も起こっていない。戦後に来日したユダヤ系が一人の外国人として街でじろじろ見られても、「ユダヤ系外国人として差別」されるようなものではなかった。イスラエル国内でも、「(第二次世界大戦集結以前から)先進国の中で唯一ユダヤ人を差別しなかったのは日本だけ」と教えている。