和歌山毒物カレー事件(わかやまどくぶつカレーじけん)は、1998年(平成10年)7月25日夕方に和歌山県和歌山市園部で発生した毒物混入・無差別大量殺傷事件。地区で行われた夏祭りにおいて提供されたカレーライスに毒物が混入され、カレーを食べた67人が急性ヒ素中毒になり、うち4人が死亡した。和歌山カレー事件とも呼ばれる。 主婦の林 眞須美(はやし ますみ)が被疑者として逮捕・被告人として起訴され、殺人・殺人未遂・詐欺の罪に問われた。林は無罪を訴えたが、第一審で死刑判決を受け、控訴・上告も棄却されたため、2009年(平成21年)5月19日に最高裁判所で死刑が確定、林は戦後日本で11人目の女性死刑囚となった。2020年(令和2年)9月27日時点で、林眞須美は死刑囚(死刑確定者)として、大阪拘置所に収監されている。冤罪の可能性が指摘されており、2021年5月31日に和歌山地裁において再審請求が受理された(詳細は後述)。 地域の夏祭りでの毒物混入事件であり、不特定多数の住民らを殺傷するという残忍性、当初の「集団食中毒」から、「青酸化合物混入」、「ヒ素混入」と原因の見立てや報道が二転、三転したこと、住民らの疑心暗鬼や犯人に関する密告合戦、さらには住民の数を上回るマスメディア関係者が2か月以上も居座り続けるという異常な報道態勢などが連日伝えられた。