光世紀世界(こうせいきせかい)とは、「ソル太陽系」(地球がその周りを廻っている太陽を中心とする、太陽系)を中心とする半径50光年(直径100光年 = 1光世紀)の宇宙空間である。用語としては、石原藤夫が、ハードSFの舞台などといった考察などのため提案したものである。 そもそもの石原の問題意識は、従前のSFがしばしば「地球から見てわかりやすい明るい星」をテーマにし易かった、という点にあった。確かに、ケンタウルス座アルファ星やシリウスなど、近いゆえに明るいという恒星はいくつかある。しかし一方で、宇宙的規模でものすごく明るいために、地球からはかなり遠いにもかかわらず有名な星も多く、例えばデネブなどは一千光年を超えた彼方にある。一方、太陽程度の(ありふれた)主系列星すなわち矮星は、その暗さによって近くに在っても、あまり知られなかった。いわゆるワープ等を常套手段とするスペースオペラであれば銀河を股にかけた活劇もその味といった所であるが、(狭義の)ハードSFであれば、地球からの距離はまず第一に考えたい所であり、しかしそういった目的で編まれた恒星カタログなどは無く、そこで全く新たな観点からカタログ等が作られることとなった。ハードSF作家であると同時にビブリオグラファーである石原の面目躍如と言え、ブルーバックスの「銀河旅行4部作」といった仕事とも地続きにある。

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  • 光世紀世界(こうせいきせかい)とは、「ソル太陽系」(地球がその周りを廻っている太陽を中心とする、太陽系)を中心とする半径50光年(直径100光年 = 1光世紀)の宇宙空間である。用語としては、石原藤夫が、ハードSFの舞台などといった考察などのため提案したものである。 そもそもの石原の問題意識は、従前のSFがしばしば「地球から見てわかりやすい明るい星」をテーマにし易かった、という点にあった。確かに、ケンタウルス座アルファ星やシリウスなど、近いゆえに明るいという恒星はいくつかある。しかし一方で、宇宙的規模でものすごく明るいために、地球からはかなり遠いにもかかわらず有名な星も多く、例えばデネブなどは一千光年を超えた彼方にある。一方、太陽程度の(ありふれた)主系列星すなわち矮星は、その暗さによって近くに在っても、あまり知られなかった。いわゆるワープ等を常套手段とするスペースオペラであれば銀河を股にかけた活劇もその味といった所であるが、(狭義の)ハードSFであれば、地球からの距離はまず第一に考えたい所であり、しかしそういった目的で編まれた恒星カタログなどは無く、そこで全く新たな観点からカタログ等が作られることとなった。ハードSF作家であると同時にビブリオグラファーである石原の面目躍如と言え、ブルーバックスの「銀河旅行4部作」といった仕事とも地続きにある。 1978年 - 1979年に『S-Fマガジン』に太陽を中心とする半径30光年以内に実在する(当時発見されていた)すべての恒星を収録した星表・星図とそれらの解説を連載し、1984年には収録範囲を半径50光年にまで拡大した資料集『光世紀の世界』を私家版であるが刊行した。また。他に、1980年 - 1981年には小説『光世紀パトロール』を上梓している。 『光世紀の世界』は1985年の日本SF大会で星雲賞ノンフィクション部門を受賞した。それ自体は私家版ということもあり稀覯本となっているが、一部の抜粋といった内容になっている商業出版物が2冊存在している(3分冊となる予定だったが、3冊目の刊行は未定)。コンピュータ処理用にデータ版のフロッピーディスクが以前は頒布されていたこともあった。小説『光世紀パトロール』はハードカバー版と文庫版が徳間書店より出版されている。 (ja)
  • 光世紀世界(こうせいきせかい)とは、「ソル太陽系」(地球がその周りを廻っている太陽を中心とする、太陽系)を中心とする半径50光年(直径100光年 = 1光世紀)の宇宙空間である。用語としては、石原藤夫が、ハードSFの舞台などといった考察などのため提案したものである。 そもそもの石原の問題意識は、従前のSFがしばしば「地球から見てわかりやすい明るい星」をテーマにし易かった、という点にあった。確かに、ケンタウルス座アルファ星やシリウスなど、近いゆえに明るいという恒星はいくつかある。しかし一方で、宇宙的規模でものすごく明るいために、地球からはかなり遠いにもかかわらず有名な星も多く、例えばデネブなどは一千光年を超えた彼方にある。一方、太陽程度の(ありふれた)主系列星すなわち矮星は、その暗さによって近くに在っても、あまり知られなかった。いわゆるワープ等を常套手段とするスペースオペラであれば銀河を股にかけた活劇もその味といった所であるが、(狭義の)ハードSFであれば、地球からの距離はまず第一に考えたい所であり、しかしそういった目的で編まれた恒星カタログなどは無く、そこで全く新たな観点からカタログ等が作られることとなった。ハードSF作家であると同時にビブリオグラファーである石原の面目躍如と言え、ブルーバックスの「銀河旅行4部作」といった仕事とも地続きにある。 1978年 - 1979年に『S-Fマガジン』に太陽を中心とする半径30光年以内に実在する(当時発見されていた)すべての恒星を収録した星表・星図とそれらの解説を連載し、1984年には収録範囲を半径50光年にまで拡大した資料集『光世紀の世界』を私家版であるが刊行した。また。他に、1980年 - 1981年には小説『光世紀パトロール』を上梓している。 『光世紀の世界』は1985年の日本SF大会で星雲賞ノンフィクション部門を受賞した。それ自体は私家版ということもあり稀覯本となっているが、一部の抜粋といった内容になっている商業出版物が2冊存在している(3分冊となる予定だったが、3冊目の刊行は未定)。コンピュータ処理用にデータ版のフロッピーディスクが以前は頒布されていたこともあった。小説『光世紀パトロール』はハードカバー版と文庫版が徳間書店より出版されている。 (ja)
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  • 光世紀世界(こうせいきせかい)とは、「ソル太陽系」(地球がその周りを廻っている太陽を中心とする、太陽系)を中心とする半径50光年(直径100光年 = 1光世紀)の宇宙空間である。用語としては、石原藤夫が、ハードSFの舞台などといった考察などのため提案したものである。 そもそもの石原の問題意識は、従前のSFがしばしば「地球から見てわかりやすい明るい星」をテーマにし易かった、という点にあった。確かに、ケンタウルス座アルファ星やシリウスなど、近いゆえに明るいという恒星はいくつかある。しかし一方で、宇宙的規模でものすごく明るいために、地球からはかなり遠いにもかかわらず有名な星も多く、例えばデネブなどは一千光年を超えた彼方にある。一方、太陽程度の(ありふれた)主系列星すなわち矮星は、その暗さによって近くに在っても、あまり知られなかった。いわゆるワープ等を常套手段とするスペースオペラであれば銀河を股にかけた活劇もその味といった所であるが、(狭義の)ハードSFであれば、地球からの距離はまず第一に考えたい所であり、しかしそういった目的で編まれた恒星カタログなどは無く、そこで全く新たな観点からカタログ等が作られることとなった。ハードSF作家であると同時にビブリオグラファーである石原の面目躍如と言え、ブルーバックスの「銀河旅行4部作」といった仕事とも地続きにある。 (ja)
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