E-B 対応とE-H 対応は、磁場に関する歴史的経緯からくる現在も使われる二種類の流派のこと。 E-B 対応は、全ての磁場 は電流から発し、電流は磁束密度 から力を受けるとし、基本公式をとする。つまり、磁束密度 を電流素片 に力を及ぼす場として定義し、磁場 は、電流が作り出す場として定義する。 E-H 対応は、磁場にもその源になる磁荷が存在し、磁荷が磁束密度 を作り、磁荷は磁場 から力を受けるとし、という磁荷に関するクーロンの法則が成立するということを出発点とする。つまり、磁場 を磁荷 に力を及ぼす場として定義し、磁荷が作り出す場が磁束密度 となり、以降の理論展開は電場と全く同じになる。これは、電流の磁場作用が発見される前から、「磁石」という磁場を発する物体が存在したために自然に現れた概念である。 どちらの場合も、 と は独立に定義され、この時点では無関係であるが構成方程式によって関連付けられる。 つまり、力場を とし、源場を とするのがE-B対応であり、力場を とし、源場を とするのがE-H対応である。方程式を だけで記述しようとするのがE-B対応なのではない。

Property Value
dbo:abstract
  • E-B 対応とE-H 対応は、磁場に関する歴史的経緯からくる現在も使われる二種類の流派のこと。 E-B 対応は、全ての磁場 は電流から発し、電流は磁束密度 から力を受けるとし、基本公式をとする。つまり、磁束密度 を電流素片 に力を及ぼす場として定義し、磁場 は、電流が作り出す場として定義する。 E-H 対応は、磁場にもその源になる磁荷が存在し、磁荷が磁束密度 を作り、磁荷は磁場 から力を受けるとし、という磁荷に関するクーロンの法則が成立するということを出発点とする。つまり、磁場 を磁荷 に力を及ぼす場として定義し、磁荷が作り出す場が磁束密度 となり、以降の理論展開は電場と全く同じになる。これは、電流の磁場作用が発見される前から、「磁石」という磁場を発する物体が存在したために自然に現れた概念である。 どちらの場合も、 と は独立に定義され、この時点では無関係であるが構成方程式によって関連付けられる。 つまり、力場を とし、源場を とするのがE-B対応であり、力場を とし、源場を とするのがE-H対応である。方程式を だけで記述しようとするのがE-B対応なのではない。 現代の古典電磁気学では、単極磁荷は存在せず全ての磁場は電流から生じる、としている。磁石が発する磁場の正体は磁石を構成する原子の電子スピンで、すなわち古典的には電流と見なせる。そのため現代の電磁気学教育においては、物理的な描写が正しいE-B 対応が主流を占めている。しかし、現在でもE-H対応を前提とする電磁気学の教科書はあることから、いま読んでいる本がE-B 対応とE-H 対応のどちらで書かれているかを意識することは必要である。 (ja)
  • E-B 対応とE-H 対応は、磁場に関する歴史的経緯からくる現在も使われる二種類の流派のこと。 E-B 対応は、全ての磁場 は電流から発し、電流は磁束密度 から力を受けるとし、基本公式をとする。つまり、磁束密度 を電流素片 に力を及ぼす場として定義し、磁場 は、電流が作り出す場として定義する。 E-H 対応は、磁場にもその源になる磁荷が存在し、磁荷が磁束密度 を作り、磁荷は磁場 から力を受けるとし、という磁荷に関するクーロンの法則が成立するということを出発点とする。つまり、磁場 を磁荷 に力を及ぼす場として定義し、磁荷が作り出す場が磁束密度 となり、以降の理論展開は電場と全く同じになる。これは、電流の磁場作用が発見される前から、「磁石」という磁場を発する物体が存在したために自然に現れた概念である。 どちらの場合も、 と は独立に定義され、この時点では無関係であるが構成方程式によって関連付けられる。 つまり、力場を とし、源場を とするのがE-B対応であり、力場を とし、源場を とするのがE-H対応である。方程式を だけで記述しようとするのがE-B対応なのではない。 現代の古典電磁気学では、単極磁荷は存在せず全ての磁場は電流から生じる、としている。磁石が発する磁場の正体は磁石を構成する原子の電子スピンで、すなわち古典的には電流と見なせる。そのため現代の電磁気学教育においては、物理的な描写が正しいE-B 対応が主流を占めている。しかし、現在でもE-H対応を前提とする電磁気学の教科書はあることから、いま読んでいる本がE-B 対応とE-H 対応のどちらで書かれているかを意識することは必要である。 (ja)
dbo:wikiPageExternalLink
dbo:wikiPageID
  • 43662 (xsd:integer)
dbo:wikiPageLength
  • 7239 (xsd:nonNegativeInteger)
dbo:wikiPageRevisionID
  • 88222858 (xsd:integer)
dbo:wikiPageWikiLink
prop-en:wikiPageUsesTemplate
dct:subject
rdfs:comment
  • E-B 対応とE-H 対応は、磁場に関する歴史的経緯からくる現在も使われる二種類の流派のこと。 E-B 対応は、全ての磁場 は電流から発し、電流は磁束密度 から力を受けるとし、基本公式をとする。つまり、磁束密度 を電流素片 に力を及ぼす場として定義し、磁場 は、電流が作り出す場として定義する。 E-H 対応は、磁場にもその源になる磁荷が存在し、磁荷が磁束密度 を作り、磁荷は磁場 から力を受けるとし、という磁荷に関するクーロンの法則が成立するということを出発点とする。つまり、磁場 を磁荷 に力を及ぼす場として定義し、磁荷が作り出す場が磁束密度 となり、以降の理論展開は電場と全く同じになる。これは、電流の磁場作用が発見される前から、「磁石」という磁場を発する物体が存在したために自然に現れた概念である。 どちらの場合も、 と は独立に定義され、この時点では無関係であるが構成方程式によって関連付けられる。 つまり、力場を とし、源場を とするのがE-B対応であり、力場を とし、源場を とするのがE-H対応である。方程式を だけで記述しようとするのがE-B対応なのではない。 (ja)
  • E-B 対応とE-H 対応は、磁場に関する歴史的経緯からくる現在も使われる二種類の流派のこと。 E-B 対応は、全ての磁場 は電流から発し、電流は磁束密度 から力を受けるとし、基本公式をとする。つまり、磁束密度 を電流素片 に力を及ぼす場として定義し、磁場 は、電流が作り出す場として定義する。 E-H 対応は、磁場にもその源になる磁荷が存在し、磁荷が磁束密度 を作り、磁荷は磁場 から力を受けるとし、という磁荷に関するクーロンの法則が成立するということを出発点とする。つまり、磁場 を磁荷 に力を及ぼす場として定義し、磁荷が作り出す場が磁束密度 となり、以降の理論展開は電場と全く同じになる。これは、電流の磁場作用が発見される前から、「磁石」という磁場を発する物体が存在したために自然に現れた概念である。 どちらの場合も、 と は独立に定義され、この時点では無関係であるが構成方程式によって関連付けられる。 つまり、力場を とし、源場を とするのがE-B対応であり、力場を とし、源場を とするのがE-H対応である。方程式を だけで記述しようとするのがE-B対応なのではない。 (ja)
rdfs:label
  • E-B対応とE-H対応 (ja)
  • E-B対応とE-H対応 (ja)
prov:wasDerivedFrom
foaf:isPrimaryTopicOf
is dbo:wikiPageRedirects of
is dbo:wikiPageWikiLink of
is owl:sameAs of
is foaf:primaryTopic of