陳那(じんな、ちんな、梵: दिग्नाग, Dignāga, ディグナーガ、480年頃-540年頃)は、唯識の立場からの新しい仏教論理学(=因明学)を確立した有相唯識派の仏教思想家。南インドの婆羅門の出身。最初は、部派仏教の犢子部において出家したが、後に大乗仏教に帰し、世親のもとで唯識と論理学を学んだと伝えられる。その伝統はインド論理学最高峰といわれる法称(ダルマキールティ)に受け継がれた。 また、その思想・論理学は、中観派の清弁にも影響を与え、中観派内に「自立論証派」(スヴァータントリカ)、更に後には「瑜伽行中観派」と呼ばれる流派が形成される契機となった。