本項目では芸術における膣と外陰部(げいじゅつにおけるちつとがいいんぶ)について解説する。 先史時代から21世紀の現代にいたるまで、膣と外陰部は美術のテーマでありつづけてきた。視覚芸術のなかで女性器を題材にしたものには、平面的なもの(絵画など)や、立体的なもの(彫刻など)がある。今から3万5千年ほど前にはすでに、人々は誇張された腹部や尻、乳房、太腿、そして女性器を備えたヴィーナスの彫像を作り上げていた。 1866年、ギュスターヴ・クールベは《世界の起源》と題する、女性器をクローズアップで描いた裸婦の絵を描いた。20世紀から21世紀にかけ、ニキ・ド・サンファルやジャン・ティンゲリー、五十嵐恵(ろくでなし子)、アニッシュ・カプーアなどの芸術家たちは膣や外陰部を詳細に描写した作品を作り出してきた。ときに、これらの作品には明確にフェミニズムアートとされるものがある。例えば、ジュディ・シカゴは『』で、歴史や神話に登場していながら、表舞台から押しやられてしまった39人の女性たちを顕彰している。一方、に見られるように、作家自身は否定しているものの、批評家からは女性器を題材にした作品と見なされている芸術作品も存在する。