彫刻(ちょうこく、英: sculpture)は、三次元空間に制作する視覚芸術であり、造形芸術の一分野。頑丈な彫刻の製造プロセスとしては、石や木材などの素材を彫り込んで形象を作るものと、粘土や石膏などで徐々に肉付けして作るものがあり、狭義には前者を「彫刻(カービング)」、後者を「塑造(モデリング)」と呼ぶ。これらプロセスにて造形された彫刻作品を「彫塑(ちょうそ)」とも言う。モダニズム以降は素材もプロセスもほぼ完全に自由である。多種多様な素材がカービングなどで彫り込み加工される場合もあれば、溶接や射出や鋳造などで成形加工される場合もある。 石の彫刻は、朽ち果てやすい素材の芸術作品よりも非常に良好な状態で残っており、古代文化から現存する陶器以外の作品を代表することも多い。対照的に、木材彫刻の伝統はほぼ完全に消失してしまうこともあったと考えられる。ところで古代彫刻の大部分は彩色が施されていたものの、こちらは失われている。 彫刻は多くの文化で信仰宗教の中核となっており、個人で作るにはあまりに高価な大型の彫刻は100年程前まで一般に宗教や政治の表現だった。彫刻が大量に現存する文化としては、古代地中海、インド、中国、それから中南米やアフリカ諸国にも多い。