秦の百越侵攻では、中国を統一して戦国時代を終結させた後の秦朝が、現在の華南およびにあたる地域に勢力を張っていた百越に侵攻し、征服した遠征について述べる。秦の始皇帝は、長江以南の百越が沿岸貿易で築いた富に目を付け、数度にわたる遠征を行った。この地域は気候が温暖で、土地も肥え、西方や北西からの外敵の侵入の危険も中原と比べて低く、さらに東南アジアとの交易で豪華な南方の物産が手に入るとあって、始皇帝は百越諸国の征服に強い意欲を持った。始皇帝は221年から214年にかけて南方に遠征軍を派遣し、5度の遠征の末に214年に百越を打ち破った。