石落とし(いしおとし)は、日本の城の建築に設置された防御用開口部のこと。下方に開口し、おもに真下方向にいる標的を攻撃する用途で使われる。「塵落とし」(ちりおとし)ともいう。ヨーロッパの城においても、同様の装備がある。 天守や櫓、櫓門の壁面、塀などに張り出すかたちで空間をせり出させ、床になる部分を20センチメートル程度開口して付設された。普段は蓋をして、使用時に蓋を取り除いて開ける。狭間が前方向にいる敵を射撃目標にしているのに対し、石落としは建物・城壁・石垣などの真下方向にいる敵を標的にしている。 文字通りに、石を落とすほかに煮え湯や汚物などを落として敵を迎撃する設備とする一方、間口の狭さからおもに鉄砲、弓矢や槍で迎撃するものともされる。石落としから、何でもって攻撃したかは諸説ある。