清酒酵母(せいしゅこうぼ)とは、清酒醸造に用いられる酵母の総称。清酒の香味を大きく左右する要因の一つ。種としてはほとんどが出芽酵母 Saccharomyces cerevisiae で、中でも特に醸造特性の高い株が選抜して用いられることが多い。また、必ずしも単一の株だけが用いられるわけではなく、酒母を混合したり、出来上がった酒をブレンドするなどの手法でそれぞれの株の長所を組み合わせた形で用いられることも多い。 ちなみに、現在 Saccharomyces cerevisiae に分類されている酵母でも、その分類に異論を唱える専門家もいる。 清酒酵母には醸造中に高泡と呼ばれる大量の泡を発生させる泡あり酵母と、高泡を発生しない泡なし酵母とがあり、後者の方が生産性が高い。日本醸造協会や地方自治体の試験研究施設から頒布されるほか、大学や各醸造所が独自に分離・培養するものもある。頒布形態としてはアンプル、スラント、乾燥酵母などがある。乾燥酵母では酒母工程が不要となる。