日本丸級貨客船(にほんまるきゅうかきゃくせん)とは、かつて東洋汽船が所有していた貨客船のクラスの一つで、日本における最初の本格的な貨客船であり、貨主客従の傾向があった当時の日本の貨客船とは違った趣を持っていた。浅野総一郎率いる東洋汽船は、この日本丸級貨客船をもってサンフランシスコ航路を開設し、航路は日本郵船への継承を経て40年余りにわたって継続、日本の海運業界における花形航路の一つとして発展した。後年は大阪商船と海外業者の手に渡り、大阪商船に継承されたうちの一隻は太平洋戦争で戦没して、半世紀近い生涯に幕を閉じた。 本項では、主に建造までの背景や特徴などについて説明する。