日本の財政問題(にほんのざいせいもんだい)は、日本政府や行政機関において支出が税収を上回り、公的債務の絶対額及びGDP比の債務比率が拡大し続けていることを問題視する論議である。2019年現在、公債残高は897兆円に達し、日本政府の一般予算は、約100兆円の歳入のうち約3割である30兆円強を国債発行で賄っている。また、利払い費は9兆円弱となっている。 右肩上がりで増加する債務によって財政危機論が論じられてきたが、政府債務の増加に逆相関するように国債金利は低下を続け、2019年現在は1%を切っており、これは世界最低の金利水準である。もともと日本国債の保有者は、ほとんどが国内民間金融機関であったが、アベノミクスに伴う大規模金融緩和により2019年現在では既発国債の約半分は日本銀行が保有している。 日本政府や財務省は政府債務の増加を問題視しており、増税や歳出削減などの緊縮政策を通じた財政再建が必要だという見解を示している。一方で日本国債が全て自国通貨建てで発行されていることにより政府が無制限の支払い能力を有しており、さらに累積債務が増大しても国債金利の高騰や為替レートの下落や高インフレが生じていないことから、政府の赤字や債務の拡大は問題がないという声もあり、日本の財政不均衡を問題視すべきか否かは意見が分かれている。