地神塔(じじんとう)は、地神信仰に基づいて地神講あるいは社日講によって造立された石塔であり、社日塔(しゃにちとう)・地神碑(じしんひ)ともいう。東日本では神奈川県に、西日本では岡山県と香川県に多く分布する。その他の県と北海道にも存在するが、地神講・社日講が広く分布しているのに対して地神塔の分布は限定的である。「地神」や「堅牢地神」などと刻まれた文字塔と、地神像または地天像の刻まれた刻像塔がある。元禄年間に造立が始まり、文化文政期(1804年-1830年)に広まって明治時代までは多く造立されたが、大正以降は少なくなった。 五角柱や六角柱に「埴安媛命 倉稲魂命 大己貴命 天照大神 少彦名命」の五神名を刻む塔があり、五神名地神塔、五角柱地神碑、五角柱=五神号型などと呼ばれる。陰陽道系統の「土公神」や、神奈川県に見られる「天社神」や「后土神」と刻まれた塔も地神塔に含められる。 佐賀県には角柱や自然石に「中央」「中央社」「中央尊」などと刻んだ中央塔(中央尊供養塔)が分布している。俗に「中央様」「チュウオウサン」などと呼ばれ、地神塔の一種とされる。