和裁(わさい)は「和服裁縫」の略語であり、和服を制作すること、またその技術のことをいう。 日本において「裁縫」は「針仕事」「お針」とも呼ばれ、大正時代頃までは、布を和服や布団などの形にすることをいい、戦前までは女子教育において必修科目とされていた。 和服は本来着尺(反物)の状態で販売され、自家で仕立てるものであったが、生活の洋風化に伴って和服が日常着ではなくなり、従って、和裁も現代の一般家庭で行われることはほとんどなくなっている。 「和裁」は、洋服を縫うための技術である洋裁が昭和初期頃から普及し始めたことによって「洋裁」と区別するために生まれた語であり、「和服」と同じくレトロニムである。 ここでは主に「和服を縫うための技術」について記述する。