衣紋道(えもんどう)は、装束に関する知識や技術を体系化したもの。平安時代末期に、朝廷内の装束が柔装束から強装束へ変化したことで一人で着ることが難しくなり、仕立てや着付けに長けた衣紋方が必要とされるようになったことで成立した。 源有仁がその始祖とされ、徳大寺家・大炊御門家を経て、高倉家・山科家の家職となった。明治の洋装導入で一旦は両家の家職は廃止されたが、後に旧儀保存のためとして改めて両家に宮内省での衣紋法教授が命じられた。以降、近現代の大礼・大葬をはじめとした各種皇室行事などの際には、両家による衣紋奉仕が行われている。現在、衣紋道の知識や技術は、宮内庁や一般社団法人霞会館・衣紋道研究会などによって継承が図られている。