十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)とは出家・在家の菩薩が必ず守るべき十種の戒で、十波羅提木叉(じゅうはらだいもくしゃ)、十波羅夷(じゅうはらい)などともいう。『梵網経』を典拠とするが『梵網経』にこの語は見出されず十重波羅提木叉として紹介される。 十重禁戒は円頓戒の戒法である(さんじゅじょうかい)の第一・摂律儀戒(しょうりつぎかい)を構成する戒であり、下記の十種からなる。日本では、真言宗系で十善戒が重んじられるが、十重禁戒は、天台宗系で重んじられ、浄土宗や曹洞宗で守るべき戒とされている。