『ピアノ協奏曲ト長調』(ピアノきょうそうきょくとちょうちょう、仏: Le Concerto en sol majeur)は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが最晩年に作曲した2曲のピアノ協奏曲のうちの一つ。死の6年前(1931年)に完成され、完成作品としては最後から2番目にあたる。並行して作曲された『左手のためのピアノ協奏曲』(1930年完成)の重厚さとは対照的な陽気で華やかな性格を持ち、生き生きとしたユーモアと優雅な叙情性にあふれている。作品中には、ラヴェルの母の出身地であるバスク地方の民謡や、スペイン音楽、ジャズのイディオムなど、多彩な要素が用いられているが、ラヴェル自身は「モーツァルトやサン=サーンスと同じような美意識」に基づいて作曲したと語っている。