ニーコン(ニコンとも。露: Никон,патриарх Московский, 1605年5月7日 - 1681年8月17日)は、モスクワおよび全ルーシの総主教(在位:1652年 - 1666年)である。ロマノフ朝2代目のツァーリ・アレクセイ(在位:1645年 - 1676年)によって、1652年、47歳のときに総主教に任命され、一連の改革を行った。ツァーリの庇護のもと政治的にも権勢をふるったが、傲慢な態度が災いし、1666年のモスクワの教会会議にて総主教の地位を剥奪される。ニーコンが主導した改革のなかでも、もっとも大きな影響を与えたのは、1653年に始まる教会の儀礼改革(奉神礼改革)である。彼の改革のためにロシア正教は分裂し、その余波は20世紀後半にまで至る。