トール (Thor) は、20世紀中ごろのフランスの競走馬・種牡馬である。1933年にフランスダービー、1934年にカドラン賞に優勝した。ほかにパリ大賞典とゴールドカップで2着がある。引退後は最初フランスで、のちにイギリスで供用された。大成功ではなかったが、そこそこの成績を収めた。 非常に短気な馬で、馬名は雷のような性格から北欧神話で雷をつかさどる神、トールが連想されたものである。第二次世界大戦中にトールを徴発しようとしたドイツ軍の兵士に抵抗し、2名を殺害した。最後は繁殖牝馬を攻撃して重傷を負わせ、安楽死処分された。 トールは、主要国のダービー馬として最後のセントサイモン (St. Simon) の血を持たない馬であった(ただしガロピン〈Galopin〉は2本持つ)。