北欧神話(ほくおうしんわ、アイスランド語:Norræn goðafræði、ノルウェー語:Norrøn mytologi、スウェーデン語:Nordisk mytologi、デンマーク語:Nordisk mytologi)は、キリスト教化される前のノルド人(ノース人)の信仰に基づく神話。スカンディナビア神話とも呼ばれている。ゲルマン神話の一種で、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイスランドおよびフェロー諸島に伝わっていたものの総称。普通、フィンランド神話とは別系統のものとされる。 北欧神話はキリスト教化以前にスカンディナヴィア人が有していた土着の宗教・信仰・伝説から成っている。これにはアイスランドに入植・定住した人々のそれが含まれており、北欧神話の文書化された典拠の大部分はそこで収集されたものである。北欧以外のゲルマン人は、早くからキリスト教化されたため、民族独自の神話や思想を示す書物がほとんど残っていない。そのため北欧神話は、古いゲルマン共通の異教がもっとも良い状態で保存されており、ゲルマン人の古来の習俗や精神を理解する上で貴重な資料となっている。このゲルマンの異教は、アングロ・サクソン神話と密接に関連した内容を含んでいる。なお、ゲルマン神話は初期のインド・ヨーロッパ神話から発展したものである。