タラッソクヌス (Thalassocnus ) は中新世から鮮新世にかけて南アメリカ大陸太平洋岸に生息していた半水生の地上性オオナマケモノの絶滅属。本属のみでタラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) を形成する単型である。属している5種(T. antiquus、T. natans、T. littoralis、T. carolomartini、T. yuacensis )は時間種 (Chronospecies) の典型であり、同じ一つの系統の中で徐々に海洋生活に適応してきたグループである。水生のオオナマケモノとしては知られている限り唯一のものであり、ペルーの Pisco累層、チリの Bahía Inglesa累層、Coquimbo累層、Horcón累層から発見されている。タラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) はメガテリウム科 (Megatheriidae) の亜科とされたこともノスロテリウム科 (Nothrotheriidae) の亜科とされたこともある。

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  • タラッソクヌス (Thalassocnus ) は中新世から鮮新世にかけて南アメリカ大陸太平洋岸に生息していた半水生の地上性オオナマケモノの絶滅属。本属のみでタラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) を形成する単型である。属している5種(T. antiquus、T. natans、T. littoralis、T. carolomartini、T. yuacensis )は時間種 (Chronospecies) の典型であり、同じ一つの系統の中で徐々に海洋生活に適応してきたグループである。水生のオオナマケモノとしては知られている限り唯一のものであり、ペルーの Pisco累層、チリの Bahía Inglesa累層、Coquimbo累層、Horcón累層から発見されている。タラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) はメガテリウム科 (Megatheriidae) の亜科とされたこともノスロテリウム科 (Nothrotheriidae) の亜科とされたこともある。 タラッソクヌスはその400万年に渡る進化の中で様々な海洋への適応を発達させた:浮力に対抗するための密度が大きく重い骨、完全に水没した状態でも呼吸しやすいように頭部奥へ移動した内鼻孔、水生植物を食べやすいように長さも幅も広がった口先、水底での採餌がしやすいように下方へ曲がっていった頭部などである。長い尾は現生のビーバー (Castor spp.) やカモノハシ (Ornithorhynchus anatinus) と同様に潜水やバランスをとるために用いられたのではないかと考えられている。 タラッソクヌスは海底を歩きその爪で食べ物を掘り起こしていたのだと推測されている。おそらくは力強く遊泳することは出来ず、必要な場合には犬かきに頼っていた。初期のタラッソクヌスはなんでも食べるグレイザー(粗食非選択食者)で海岸近くの海藻や海草を食べていたようだが、後の種は沖合で海草を食べる専門食型となった。彼らはおそらくサメやAcrophyseterのような大型捕食性マッコウクジラ類に襲われていたのだろうと考えられている。タラッソクヌスはサメや海生哺乳類化石が大量に集積している地層から発見されている。 (ja)
  • タラッソクヌス (Thalassocnus ) は中新世から鮮新世にかけて南アメリカ大陸太平洋岸に生息していた半水生の地上性オオナマケモノの絶滅属。本属のみでタラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) を形成する単型である。属している5種(T. antiquus、T. natans、T. littoralis、T. carolomartini、T. yuacensis )は時間種 (Chronospecies) の典型であり、同じ一つの系統の中で徐々に海洋生活に適応してきたグループである。水生のオオナマケモノとしては知られている限り唯一のものであり、ペルーの Pisco累層、チリの Bahía Inglesa累層、Coquimbo累層、Horcón累層から発見されている。タラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) はメガテリウム科 (Megatheriidae) の亜科とされたこともノスロテリウム科 (Nothrotheriidae) の亜科とされたこともある。 タラッソクヌスはその400万年に渡る進化の中で様々な海洋への適応を発達させた:浮力に対抗するための密度が大きく重い骨、完全に水没した状態でも呼吸しやすいように頭部奥へ移動した内鼻孔、水生植物を食べやすいように長さも幅も広がった口先、水底での採餌がしやすいように下方へ曲がっていった頭部などである。長い尾は現生のビーバー (Castor spp.) やカモノハシ (Ornithorhynchus anatinus) と同様に潜水やバランスをとるために用いられたのではないかと考えられている。 タラッソクヌスは海底を歩きその爪で食べ物を掘り起こしていたのだと推測されている。おそらくは力強く遊泳することは出来ず、必要な場合には犬かきに頼っていた。初期のタラッソクヌスはなんでも食べるグレイザー(粗食非選択食者)で海岸近くの海藻や海草を食べていたようだが、後の種は沖合で海草を食べる専門食型となった。彼らはおそらくサメやAcrophyseterのような大型捕食性マッコウクジラ類に襲われていたのだろうと考えられている。タラッソクヌスはサメや海生哺乳類化石が大量に集積している地層から発見されている。 (ja)
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  • タラッソクヌス亜科 をメガテリウム科 とした系統発生 (ja)
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  • 新生代新第三紀後期中新世 ~ 後期鮮新世, (ja)
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  • タラッソクヌス亜科 Thalassocninae (ja)
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  • タラッソクヌス (ja)
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  • 新生代新第三紀後期中新世 ~ 後期鮮新世 (ja)
  • (約7百万~3百万年前) (ja)
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  • Thalassocnus (ja)
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  • タラッソクヌス Thalassocnus (ja)
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  • 想像上の遊泳姿勢で復元されたT. natans の骨格 パリ自然史博物館 (ja)
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  • 哺乳綱 (ja)
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  • 想像上の遊泳姿勢で復元されたT. natans の骨格 パリ自然史博物館
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  • タラッソクヌス (Thalassocnus ) は中新世から鮮新世にかけて南アメリカ大陸太平洋岸に生息していた半水生の地上性オオナマケモノの絶滅属。本属のみでタラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) を形成する単型である。属している5種(T. antiquus、T. natans、T. littoralis、T. carolomartini、T. yuacensis )は時間種 (Chronospecies) の典型であり、同じ一つの系統の中で徐々に海洋生活に適応してきたグループである。水生のオオナマケモノとしては知られている限り唯一のものであり、ペルーの Pisco累層、チリの Bahía Inglesa累層、Coquimbo累層、Horcón累層から発見されている。タラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) はメガテリウム科 (Megatheriidae) の亜科とされたこともノスロテリウム科 (Nothrotheriidae) の亜科とされたこともある。 (ja)
  • タラッソクヌス (Thalassocnus ) は中新世から鮮新世にかけて南アメリカ大陸太平洋岸に生息していた半水生の地上性オオナマケモノの絶滅属。本属のみでタラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) を形成する単型である。属している5種(T. antiquus、T. natans、T. littoralis、T. carolomartini、T. yuacensis )は時間種 (Chronospecies) の典型であり、同じ一つの系統の中で徐々に海洋生活に適応してきたグループである。水生のオオナマケモノとしては知られている限り唯一のものであり、ペルーの Pisco累層、チリの Bahía Inglesa累層、Coquimbo累層、Horcón累層から発見されている。タラッソクヌス亜科 (Thalassocninae) はメガテリウム科 (Megatheriidae) の亜科とされたこともノスロテリウム科 (Nothrotheriidae) の亜科とされたこともある。 (ja)
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