グンテル(グンター、ドイツ語: Gunther)は、ゲルマンの伝説に登場するブルグント人の王である。北欧の伝承ではグンナル(古ノルド語: Gunnarr)という。実在した5世紀初頭のブルグント王グンダハール(古高ドイツ語: Gundahar、ラテン語: Gundaharius)のことだが、各地でその事績が伝承された結果、むしろ物語の登場人物として知られる。 歴史上のグンダハールが君臨したのは、ブルグントがライン川を超えてローマ領ガリアに侵入した後の短い間とされる。簒奪皇帝が敗れるまでその戦役に関わり、戦後はローマと同盟を結んでライン左岸に定住した。436年、グンダハールはローマの属州ベルギカ・プリマに攻め込んだが、翌年フン族の傭兵の助力を得たローマの将軍フラウィウス・アエティウスに破られ、戦死した。 こういった史実を元に、伝説上のグンテルは、フン王アッティラの宮廷で死んだものとされた。グンテルはさまざまな伝説に登場し、中でもジークフリートとブリュンヒルトの物語への関わりは有名である。の伝説にも敵として登場する。これらの伝説に主人公でない役として登場するのは後付けの設定と考えられている。ブルグント人の破滅の物語においても、時代が下るにつれてグンテルの重要性は薄れていった。

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  • グンテル(グンター、ドイツ語: Gunther)は、ゲルマンの伝説に登場するブルグント人の王である。北欧の伝承ではグンナル(古ノルド語: Gunnarr)という。実在した5世紀初頭のブルグント王グンダハール(古高ドイツ語: Gundahar、ラテン語: Gundaharius)のことだが、各地でその事績が伝承された結果、むしろ物語の登場人物として知られる。 歴史上のグンダハールが君臨したのは、ブルグントがライン川を超えてローマ領ガリアに侵入した後の短い間とされる。簒奪皇帝が敗れるまでその戦役に関わり、戦後はローマと同盟を結んでライン左岸に定住した。436年、グンダハールはローマの属州ベルギカ・プリマに攻め込んだが、翌年フン族の傭兵の助力を得たローマの将軍フラウィウス・アエティウスに破られ、戦死した。 こういった史実を元に、伝説上のグンテルは、フン王アッティラの宮廷で死んだものとされた。グンテルはさまざまな伝説に登場し、中でもジークフリートとブリュンヒルトの物語への関わりは有名である。の伝説にも敵として登場する。これらの伝説に主人公でない役として登場するのは後付けの設定と考えられている。ブルグント人の破滅の物語においても、時代が下るにつれてグンテルの重要性は薄れていった。 伝説上の人物としてのグンテルは、ラテン語、中高ドイツ語、古ノルド語、古英語の文献や、スカンディナヴィアのさまざまな図像に登場する。ドイツ語の『ニーベルンゲンの歌』、中世ラテン語の『ワルタリウス』、古ノルド語の『詩のエッダ』『ヴォルスンガ・サガ』が特に重要な文献である。グンテルは、シグルズ伝説を元にしたリヒャルト・ワーグナーの歌劇『ニーベルングの指環』においても重要な役を果たす。 (ja)
  • グンテル(グンター、ドイツ語: Gunther)は、ゲルマンの伝説に登場するブルグント人の王である。北欧の伝承ではグンナル(古ノルド語: Gunnarr)という。実在した5世紀初頭のブルグント王グンダハール(古高ドイツ語: Gundahar、ラテン語: Gundaharius)のことだが、各地でその事績が伝承された結果、むしろ物語の登場人物として知られる。 歴史上のグンダハールが君臨したのは、ブルグントがライン川を超えてローマ領ガリアに侵入した後の短い間とされる。簒奪皇帝が敗れるまでその戦役に関わり、戦後はローマと同盟を結んでライン左岸に定住した。436年、グンダハールはローマの属州ベルギカ・プリマに攻め込んだが、翌年フン族の傭兵の助力を得たローマの将軍フラウィウス・アエティウスに破られ、戦死した。 こういった史実を元に、伝説上のグンテルは、フン王アッティラの宮廷で死んだものとされた。グンテルはさまざまな伝説に登場し、中でもジークフリートとブリュンヒルトの物語への関わりは有名である。の伝説にも敵として登場する。これらの伝説に主人公でない役として登場するのは後付けの設定と考えられている。ブルグント人の破滅の物語においても、時代が下るにつれてグンテルの重要性は薄れていった。 伝説上の人物としてのグンテルは、ラテン語、中高ドイツ語、古ノルド語、古英語の文献や、スカンディナヴィアのさまざまな図像に登場する。ドイツ語の『ニーベルンゲンの歌』、中世ラテン語の『ワルタリウス』、古ノルド語の『詩のエッダ』『ヴォルスンガ・サガ』が特に重要な文献である。グンテルは、シグルズ伝説を元にしたリヒャルト・ワーグナーの歌劇『ニーベルングの指環』においても重要な役を果たす。 (ja)
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  • グンテル(グンター、ドイツ語: Gunther)は、ゲルマンの伝説に登場するブルグント人の王である。北欧の伝承ではグンナル(古ノルド語: Gunnarr)という。実在した5世紀初頭のブルグント王グンダハール(古高ドイツ語: Gundahar、ラテン語: Gundaharius)のことだが、各地でその事績が伝承された結果、むしろ物語の登場人物として知られる。 歴史上のグンダハールが君臨したのは、ブルグントがライン川を超えてローマ領ガリアに侵入した後の短い間とされる。簒奪皇帝が敗れるまでその戦役に関わり、戦後はローマと同盟を結んでライン左岸に定住した。436年、グンダハールはローマの属州ベルギカ・プリマに攻め込んだが、翌年フン族の傭兵の助力を得たローマの将軍フラウィウス・アエティウスに破られ、戦死した。 こういった史実を元に、伝説上のグンテルは、フン王アッティラの宮廷で死んだものとされた。グンテルはさまざまな伝説に登場し、中でもジークフリートとブリュンヒルトの物語への関わりは有名である。の伝説にも敵として登場する。これらの伝説に主人公でない役として登場するのは後付けの設定と考えられている。ブルグント人の破滅の物語においても、時代が下るにつれてグンテルの重要性は薄れていった。 (ja)
  • グンテル(グンター、ドイツ語: Gunther)は、ゲルマンの伝説に登場するブルグント人の王である。北欧の伝承ではグンナル(古ノルド語: Gunnarr)という。実在した5世紀初頭のブルグント王グンダハール(古高ドイツ語: Gundahar、ラテン語: Gundaharius)のことだが、各地でその事績が伝承された結果、むしろ物語の登場人物として知られる。 歴史上のグンダハールが君臨したのは、ブルグントがライン川を超えてローマ領ガリアに侵入した後の短い間とされる。簒奪皇帝が敗れるまでその戦役に関わり、戦後はローマと同盟を結んでライン左岸に定住した。436年、グンダハールはローマの属州ベルギカ・プリマに攻め込んだが、翌年フン族の傭兵の助力を得たローマの将軍フラウィウス・アエティウスに破られ、戦死した。 こういった史実を元に、伝説上のグンテルは、フン王アッティラの宮廷で死んだものとされた。グンテルはさまざまな伝説に登場し、中でもジークフリートとブリュンヒルトの物語への関わりは有名である。の伝説にも敵として登場する。これらの伝説に主人公でない役として登場するのは後付けの設定と考えられている。ブルグント人の破滅の物語においても、時代が下るにつれてグンテルの重要性は薄れていった。 (ja)
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