エブリコ(恵布里古、落葉松寄生、学名: Laricifomes officinalis)は、に属するキノコの1種である。名称は、樺太アイヌ語で本種を指す「エプリク」に由来する。木材腐朽菌であり、針葉樹に褐色のを引き起こす。ヨーロッパ・アジア・北アメリカ・モロッコで確認されている。英名には"agarikon"、"quinine conk"などがある。 かつてはに分類されていたが、分子系統解析により分離された。 粉末は非常に苦いため、キニーネを含んでいると考えられて広く採集されていたこともあったが、実際には含まれておらず、抗マラリア作用はない。成分としては、(Agaric acid、2-ヒドロキシ-1,2,3-ノナデカントリカルボン酸)、(Eburicoic acid、3β-ヒドロキシ-24-メチレン-5α-ラノスタ-8-エン-21-酸)などが発見されている。 通常、腐朽が発生するのは老木の中の少数の個体である。子実体は60cm程度まで成長し、馬蹄形か円柱状である。若い子実体は黄白色で柔らかいが、すぐに全体が白く固くなる。腐朽材は褐色で、方形の亀裂を生じ、広い亀裂からは太く白いフェルト状の菌糸が覗く。子実体と菌糸は苦く、これは本種の特徴である。子実体の発生は通常、木全体に感染が広がっていることを示す。感染した木は枯立木に営巣する鳥・哺乳類の棲家となる。

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  • エブリコ(恵布里古、落葉松寄生、学名: Laricifomes officinalis)は、に属するキノコの1種である。名称は、樺太アイヌ語で本種を指す「エプリク」に由来する。木材腐朽菌であり、針葉樹に褐色のを引き起こす。ヨーロッパ・アジア・北アメリカ・モロッコで確認されている。英名には"agarikon"、"quinine conk"などがある。 かつてはに分類されていたが、分子系統解析により分離された。 粉末は非常に苦いため、キニーネを含んでいると考えられて広く採集されていたこともあったが、実際には含まれておらず、抗マラリア作用はない。成分としては、(Agaric acid、2-ヒドロキシ-1,2,3-ノナデカントリカルボン酸)、(Eburicoic acid、3β-ヒドロキシ-24-メチレン-5α-ラノスタ-8-エン-21-酸)などが発見されている。 通常、腐朽が発生するのは老木の中の少数の個体である。子実体は60cm程度まで成長し、馬蹄形か円柱状である。若い子実体は黄白色で柔らかいが、すぐに全体が白く固くなる。腐朽材は褐色で、方形の亀裂を生じ、広い亀裂からは太く白いフェルト状の菌糸が覗く。子実体と菌糸は苦く、これは本種の特徴である。子実体の発生は通常、木全体に感染が広がっていることを示す。感染した木は枯立木に営巣する鳥・哺乳類の棲家となる。 (ja)
  • エブリコ(恵布里古、落葉松寄生、学名: Laricifomes officinalis)は、に属するキノコの1種である。名称は、樺太アイヌ語で本種を指す「エプリク」に由来する。木材腐朽菌であり、針葉樹に褐色のを引き起こす。ヨーロッパ・アジア・北アメリカ・モロッコで確認されている。英名には"agarikon"、"quinine conk"などがある。 かつてはに分類されていたが、分子系統解析により分離された。 粉末は非常に苦いため、キニーネを含んでいると考えられて広く採集されていたこともあったが、実際には含まれておらず、抗マラリア作用はない。成分としては、(Agaric acid、2-ヒドロキシ-1,2,3-ノナデカントリカルボン酸)、(Eburicoic acid、3β-ヒドロキシ-24-メチレン-5α-ラノスタ-8-エン-21-酸)などが発見されている。 通常、腐朽が発生するのは老木の中の少数の個体である。子実体は60cm程度まで成長し、馬蹄形か円柱状である。若い子実体は黄白色で柔らかいが、すぐに全体が白く固くなる。腐朽材は褐色で、方形の亀裂を生じ、広い亀裂からは太く白いフェルト状の菌糸が覗く。子実体と菌糸は苦く、これは本種の特徴である。子実体の発生は通常、木全体に感染が広がっていることを示す。感染した木は枯立木に営巣する鳥・哺乳類の棲家となる。 (ja)
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  • Agaricum officinale (Vill.)(1971)[1974])
  • Boletus agaricum (Pollini (1824)
  • Boletus laricis (F.Rubel (1778)
  • Boletus officinalis (Vill. (1789)
  • Boletus officinalis (Vill.) Batsch, (1783)
  • Boletus purgans (J.F.Gmel. (1792)
  • Cladomeris officinalis (Vill.)(1886)
  • Fomes fuscatus (Lázaro Ibiza (1916)
  • Fomes officinalis (Vill.)(1931)
  • Piptoporus officinalis (Vill.) P.Karst. (1882)
  • Polyporus officinalis (Vill.)(1821)
  • Ungulina officinalis (Vill.)(1900)
  • Fomitopsis officinalis (Vill.) Bondartsev & Singer (1941)
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  • エブリコの子実体
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  • エブリコ(恵布里古、落葉松寄生、学名: Laricifomes officinalis)は、に属するキノコの1種である。名称は、樺太アイヌ語で本種を指す「エプリク」に由来する。木材腐朽菌であり、針葉樹に褐色のを引き起こす。ヨーロッパ・アジア・北アメリカ・モロッコで確認されている。英名には"agarikon"、"quinine conk"などがある。 かつてはに分類されていたが、分子系統解析により分離された。 粉末は非常に苦いため、キニーネを含んでいると考えられて広く採集されていたこともあったが、実際には含まれておらず、抗マラリア作用はない。成分としては、(Agaric acid、2-ヒドロキシ-1,2,3-ノナデカントリカルボン酸)、(Eburicoic acid、3β-ヒドロキシ-24-メチレン-5α-ラノスタ-8-エン-21-酸)などが発見されている。 通常、腐朽が発生するのは老木の中の少数の個体である。子実体は60cm程度まで成長し、馬蹄形か円柱状である。若い子実体は黄白色で柔らかいが、すぐに全体が白く固くなる。腐朽材は褐色で、方形の亀裂を生じ、広い亀裂からは太く白いフェルト状の菌糸が覗く。子実体と菌糸は苦く、これは本種の特徴である。子実体の発生は通常、木全体に感染が広がっていることを示す。感染した木は枯立木に営巣する鳥・哺乳類の棲家となる。 (ja)
  • エブリコ(恵布里古、落葉松寄生、学名: Laricifomes officinalis)は、に属するキノコの1種である。名称は、樺太アイヌ語で本種を指す「エプリク」に由来する。木材腐朽菌であり、針葉樹に褐色のを引き起こす。ヨーロッパ・アジア・北アメリカ・モロッコで確認されている。英名には"agarikon"、"quinine conk"などがある。 かつてはに分類されていたが、分子系統解析により分離された。 粉末は非常に苦いため、キニーネを含んでいると考えられて広く採集されていたこともあったが、実際には含まれておらず、抗マラリア作用はない。成分としては、(Agaric acid、2-ヒドロキシ-1,2,3-ノナデカントリカルボン酸)、(Eburicoic acid、3β-ヒドロキシ-24-メチレン-5α-ラノスタ-8-エン-21-酸)などが発見されている。 通常、腐朽が発生するのは老木の中の少数の個体である。子実体は60cm程度まで成長し、馬蹄形か円柱状である。若い子実体は黄白色で柔らかいが、すぐに全体が白く固くなる。腐朽材は褐色で、方形の亀裂を生じ、広い亀裂からは太く白いフェルト状の菌糸が覗く。子実体と菌糸は苦く、これは本種の特徴である。子実体の発生は通常、木全体に感染が広がっていることを示す。感染した木は枯立木に営巣する鳥・哺乳類の棲家となる。 (ja)
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  • エブリコ (ja)
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